遊・探・楽【More Amusing Tackle】ゲーム・検索・京都・萌え?
京都の話

京都の話 〜 京都にまつわる話を徒然に綴るコーナー 〜

Interesting story concerning Kyoto
あらさがし・・・

 おいでやす。
 ようこそ「京都の話」へご来場くださいました。 今日の話は「あらさがし・・・」と題しまして、京都人が思うところを好き勝手に書きます。

 今回も「ミステリー案内」に関係あるんですが、「赤い霊柩車」とか「舞子さん探偵」とか「殺人案内」とか「科捜研」とかにも関係あるかも(笑

 皆様は京都を舞台にしたテレビドラマを御覧になりますか? その業界では「京都モノは強い」と言われ続けているようで、確かに京都を舞台としたドラマは「決まって、ある程度」の視聴率を得るようです。 既にシリーズ化されている2時間ドラマもありますね。 特に西村京太郎氏、山村美紗氏の両京都在住の作家のモノは人気があるようです。

 私たち京都原住民は、こんなドラマを見ていると「ロケ地」が判るものでして、時々「?????」となります。 さて、ドラマの終盤が近付いた、こんなシーンから・・・。

-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----

 時計は午後4時。

 マルチまがいの商売に巻き込まれ、妹「佳奈」に多額の借金をした姉「茉奈」。
 南禅寺の「水路閣」の下で敏腕警部「高橋」と・・・
  【高橋】:話していただけますね・・・?
  【茉奈】:はい・・・、佳奈は私が・・・でも、紅葉さんの事はわからないんです・・・。

 東京から来た探偵雑誌記者「渚」と相棒の「英一郎」、東福寺「通天橋」を眺めながら・・・
  【渚】:と言う事は、詰め寄った佳奈さんは茉奈さんと揉み合いになり、
      ベランダから転落・・・佳奈さんは過失事故死ってこと?
  【英一郎】:そうだよ、茉奈さんは口封じに妹を殺すような人じゃない!
        その後茉奈さんは動転して逃げるように部屋から出て行ってしまった。
  【渚】:そこへ別居先から訪ねて来た御主人の邦彦さんが、てっきり奥さんが口封じをしたと・・・。
  【英一郎】:そうか、勘違いした邦彦が茉奈さんの代わりに犯人を演じた・・・。
  【渚】:そして、邦彦さんは事情を知っているはずの紅葉さんの口まで封じた・・・。
  【英一郎】:じ、じゃ・・・次に狙われるのは・・・紅葉さんと親しかった名取さん!?
  【渚】:名取さんは今日、嵐山へ行くって言ってたわ! 急いで!

 高橋警部に命じられ、邦彦を探していた愛川刑事、「京都御所」から携帯電話で・・・
  【愛川】:部長! 邦彦らしき男を発見、職務質問をしようとしましたが、逃げられてしまいました!
  【高橋】:そうか、で、奴は?
  【愛川】:嵐山方面に向かって走り去りました!
  【高橋】:よし! 君は奴を追え!

 息を切らし、必死で「渡月橋」を南へ走って渡る愛川刑事!
 車で嵐山へ向かう高橋警部とマナ、そして渚と英一郎!
 意味もなく映される八坂の塔!
 夕暮れの「化野念仏寺の石仏」の中にたたずむ名取!
 背後から迫る邦彦!!!
  【渚・英一郎】:あ、あそこだ!!
  【高橋警部・愛川刑事】:待てっ!
  【邦彦】:はっ・・・!
  【茉奈】:あなたっ!!
  【名取】:ドリーム観光でツアコンをしております、早乙m(違!

 そして、すべてが終り、黄昏の「高台寺」で・・・
  【渚】:結局、御主人は奥さんをかばっていたのね。
  【英一郎】:そうだね・・・。 ま、事件も解決、仕事も終わったし、祇園にでも行きますか!
  【渚】:しょうがないわね・・・(2時間ドラマ女王の余裕と貫禄の笑顔で)。

 ENDING
 スタッフロール
   片●なぎさ
   船越●一郎
   ●田村邦彦
   三倉●奈
   三倉●奈
   山●紅葉
   特別出演 高橋秀●
          愛●欽也
   友情出演 名取裕・・・ も う い い か ら !

-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----

 ありがちです。 ええ、よくあるパターンです!
次々に京都の名所を繰り出し、犯人を追う。
京情緒たっぷり、スリリングな展開!

・・・しかし、コレを見た原住民たちはへらへら笑います。
「何故か」って?  時間的に、こんなこと無理だからです。

 現在の京都の中心、四条烏丸に立ってこのシーンの場所を見渡しててみましょう。

-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----*-----

 まず、水路閣。 南禅寺は東山・蹴上に近く、水路閣はこの南禅寺の南側に有ります。
 四条烏丸からだとほぼ真西、直線距離で3km。道なりでも同じくらいです。

 東福寺は都の南東端、東山九条に有り、四条烏丸からほぼ南東へ3.5km。
 道なりだと4.5km程になります。

 京都御所は四条烏丸から真北へ1.8km。

 問題はココからです。渡月橋は四条烏丸からほぼ西に9km程、道なりでは10km。

 念仏寺は渡月橋の北詰から約2〜3km(失礼! はっきりとわかりません。)です。

 高台寺も東山、清水寺と祇園・八坂神社の中間ぐらいにありますから、
 四条烏丸からだと真東に2.5km程です。

 ちなみに京都御所から渡月橋までは約8km程です。

 もし、この出来事が深夜、信号無視OK、車が約60km/hで進行したら、敏腕警部は20分弱で念仏寺に到着します。
 記者も30分ちょっとで到着です。 犯人は途中から車を使えば約15分で到着。
 でも、刑事は渡月橋をあらぬ方向に渡っています(南に渡ると市内に引き返します。 大概のドラマでは絵面の良さで、南に向かいます!)。 ・・・が、引き返してから警部に拾ってもらえば、走る時間(約30分:マラソン選手並の速度)+5分で到着します。

 条件が揃えば、このシーンでは少なくとも「愛川刑事が電話をしてから40分以内」に役者は全員揃います。 真犯人を取り押さえ、謎解きをしてから、記者たちが高台寺に来ても約1時間半程度のできごとです。

 これなら、ドラマになりそうです。 記者たちも祇園でのんびりできるでしょう。 ・・・待って下さい!

 京都に限らず、夕方の街は大渋滞でしょう? それに、京都は道が碁盤の目のようだ言う事をご存知ですよね? つまり四ツ辻が多い・・・そう、信号が多いのです。 少なくとも3倍近い時間がかかると思って下さい(「走る」以外)。

 さらに、登場人物で当事者以外は事件の場所が「嵐山」だと言う事以外、知りませんよね。 念仏寺は嵐山でもかなり山奥の化野町ですから、ココに到達するまでに、相当いろんな嵐山を当たって見なければなりません。 嵐山は観光の名所でもありますし、その指し示す範囲は相当広いです。

 いや、それより前に刑事の「嵐山方面に向かって走り去りました!」が笑えます。この台詞、実際にドラマで使われた事があります。 その時は四条大橋(鴨川)でこう言ってましたが・・・。
 京都を西へ向いたからといって、嵐山とは限りません。 松尾大社かもしれませんし、物集女かもしれません。 もしかしたら、丹波・笹山って事もありえますし、下手すれば舞鶴市(日本海)かも! こうなると刑事さんたちはまったくアテになりません。

 実際にやってみたら、とっぷり日が暮れてから変わり果てた姿の名取さんが発見され、記者たちが祇園に来るのは午後9時以降になるでしょう。 ドラマはまだまだ続く事になりそうです。

 最近は流石にこのような無理な設定のドラマは少なくなりましたが、それでも登場人物が瞬間移動したり、京都じゃない所が京都の場面に使われたりする事がありますよ。 皆さんもアラ探ししてみませんか?

UP BACK HOME

Google
 
Googleで M.A.Tで M.A.T.searchで





   

遊・探・楽【More Amusing Tackle】 ゲーム/チャット/検索/京都の話/萌え?
copyright 2002-   More Amusing Tackle